プルプル、なめらかプリンの作り方  NOTE #33

  プリンには昭和のブーム、平成のブームがあると言っていいようです。昭和のプリンは
 家庭で作られプルプルの食感、平成のプリンはなめらかな食感で、家庭では作られていな
 いのも特徴。
  この平成のプリンが簡単でとっても美味しく作れる方法を、NHK「ためしてガッテン」
 からまとめます。

  本当に自慢したくなるほど美味しいなめらかプリンが出来ます。是非作ってみてくださ
 い。感動です。


  昭和の第一次プリンブーム(手作りプルプルプリン)と、平成の第二次ブーム
  (買うなめらかプリン)の違い

    第一次プリンブームの昭和のプリンブームは、昭和39年東京オリンピックの年に
   始まった。市販のプリンの粉を水で溶き、冷蔵庫で固めて出来上がり。簡単に作れて
   女性や子供に大人気。みんなプリンが大好きになる。

    第二次ブームは、平成のプリンブーム。とろけてなめらかなプリン。様々なプリ
   ンが洋菓子店や、コンビニなどで売られ大人気。女性だけでなく男性にも人気。男
   性向けのプリンも売られており、生クリームなどでコクを出すのが男性向けという。
    しかし、街頭でのインタビューを聞いてみると平成のプリンは家庭で作れる人は
   いないようだ。

    また、昭和のプリンと平成のプリンとでは、プリンを固める要素が異なる。昭和
   のプリンは、ゲル化剤(ゼラチンなど)で固めるが、平成のプリンは卵の固まる力
   と熱を利用して固めている。
    昭和のプリンと、平成のプリンを電子レンジで加熱すると、昭和のプリンは熱で
   溶けるが、平成のプリンは変化が無かった。

 昭和のプリン平成のプリン
食感プルプルとろりなめらか
固まる要因ゲル化剤(ゼラチンなど)卵と熱
形状お皿に乗せるカップに入っている
人気のメイン女性、子供男性にも人気
入手元家庭で作る店で購入



  プリンの始まりは15世紀イギリスのプディング(pudding)

    15世紀のイギリスの主婦があり合わせの材料で作ったプディングがプリンの始
   まり。この時のプディングは、肉や卵を香辛料で味付けし、熱で固めた食品で、長
   持ちするため、船乗りの保存食にもなった。

    私たちが思い浮かべるいわゆるプリンは、カスタードプディングと言い、プディン
   グの手法を応用してフランスで生まれたもの。


  プリン大好き主婦4人がシェフと同じ材料で実験

材料分量
    牛乳500ml
    グラニュー糖100g
    卵3個
    バニラエッセンス少々


    上の材料を使って4人の主婦がいつも通りのプリンの作り方でそれぞれ作り、8人
   の親子に試食してもらう。
    自分で試食すると上出来で美味しいと満足するが、審査の親子たちは、手厳しく、
   「なめらかでない」「ぶつぶつになってた」など、ちょっとせっかくの手作りプリ
   ンがかわいそうなほどの判定。4人の平均点は、10点満点中、5.5点。

    がっかりするも、しかし、プロの菓子職人がコツを伝授すると4人の再チャレン
   ジは見違える出来栄えになった。8人の親子審判も「なめらかで、美味しい」と満
   足。得点も8.5点と見事グレードアップした。(材料、分量は同じ。)


  不評だったプリンの訳 スが入っていた

    不評だったプリンをスタジオで試食すると「美味しいが・・・」と不満が漏れる。
    このプリンの表面をマイクロスコープで良く見ると、穴が開いていた。いわゆる
   スが入っていた。


  スが出来るタイミングと原因

    いろいろなプリンの作り方があるが、平均的な作り方は次のようなもになる。

    @カラメルを作る
    A卵に砂糖を混ぜ
    B卵液に温めた牛乳を混ぜる
    Cプリン液をこす
    D器に入れて固まるまで加熱

    この中で、スが出来るタイミングと原因は、
    ・加熱の時、加熱しすぎによりプリン液の中の水分が水蒸気に変わる
    ・砂糖と卵を混ぜる時に出来る泡

    スが出来ないようにするには、加熱しすぎないことと、卵と砂糖を混ぜる時に泡
   立てないよう、切るように混ぜることがポイント。

    では、加熱しすぎない時間とはどれくらいの加熱時間だろうか。


  正しい加熱時間と、調理器具の熱の伝わり方の違いの問題

    様々なプリンつくりの本を見ると様々な加熱時間が出てくることになった。

加熱器具温度時間
オーブンで加熱170℃40〜50分
160℃20分+170℃で20分
160℃20〜25分
150℃60分
蒸し器強火2〜3分+中火12〜13分
強火1分+弱火20〜30分
強火50秒+中火15〜30分


    プリンの加熱時間は、決定的にこれだという時間があるわけではないようだ。
   その要因は、オーブンの加熱ムラやプリン液を入れる器の種類、プリン液の量など
   により、各々にプリン液に熱が伝わる時間が異なるためである。

    そこで、どの家庭にもある特定の調理器具で、どの家庭にもある特定のプリン容
   器で加熱時間を決める必要がある。


  洋菓子職人養成学校教授 百野浩史さんのなめらかプリンの作り方を教わるも
  家庭では失敗 容器が変わると温度上昇に違いが起こる

    ○百野さんのなめらかプリンを教わる

     百野さんの作り方は、170℃のオーブンで30分加熱する。この時、プリン
    液が固まる80℃までゆっくり加熱されるのが重要なポイント。

     蒸し器では、弱火で21分加熱し、80℃までゆっくり温める。

    ○主婦の一人が家庭で試すと失敗 その原因は容器

     家庭でこの方法で作ったプリンをプリン好きの長男(幼児)に食べさせると、
    なんと嫌がって口に入れなかった。既に気に入らないプリンが口に入るのを拒む
    状態になっていた。幼児の舌の感覚たるやすごいものだ。

     失敗の原因は、教わった時とプリン容器が異なること。プラスティックカップ
    で教わったのを、家庭ではアルミのプリンカップを使用したため、熱の伝わり方
    が異なり、早く熱が通り、ゆっくり加熱が出来なかったことによる。

    百野さんがつくるなめらかプリンと、加熱しすぎのプリンの固さを調べると百野
   さんのプリンは、加熱し過ぎのプリンに比べて1/2の固さであることが分かった。

プリンの状態 固さ 
加熱しすぎプリン2N
百野さんのなめらかプリン1N


    加熱しすぎると固いプリンになることが分かる。

    では、プリン容器はどんなものがよいのか。


  プリン容器の違いによるプリン液の温度上昇を実験 陶器が最もゆっくり上昇

    アルミ、耐熱ガラス、陶器の器にそれぞれプリン液を流し、温度を測った。
    170℃で30分加熱する間、プリン液の温度変化を見る。
    プリン液が固まる80℃にどれくらい時間がかかるのか。

容器80℃に到達した時間
アルミ10分後
耐熱ガラス13分後
陶器25分後


    陶器は最も時間をかけて80℃に到達することが分かる。
    なめらかプリンを家庭で実現するゆっくり過熱に適する容器は、陶器であると言
   える。

  卵のたんぱく質、加熱による変化とプリンの網目構造

   百野さんのなめらかプリンと主婦のプリンをプリンを電子顕微鏡で見てみると、小
  さな水分の粒と、大きな油の粒が見える。百野さんの方が粒が若干細かく、満遍なく
  散らばっているように見えるが、さほど大きな違いにいは見えない。

   卵のたんぱく質の形は、長い糸状で、それがくしゃくしゃになっている状態。ここ
  に熱が加わるとぴんと伸び、周囲の伸びたたんぱく質と結合して、網目状になり、そ
  の中に水分と油分を包み込む。この網目構造が細かいとなめらかで美味しいプリンに
  なる。

   卵のたんぱく質は、加熱が進むことで結合がどんどん強くなり、食感がゴツゴツし
  たものになる。加熱しすぎのプリンが固い理由が分かる。


  出来上がりを確認するプロ技

   プリン液の温度の上がり方は、陶器の器で作ったとしても、オーブン内の場所によ
  る加熱ムラや、プリン液の量によっても変わるため、出来上がりが変わってくる。こ
  の微妙な出来上がりを確認するプロの技がある。

   プリンの表面を指の腹で触って、プリンの表面が軽く吸い付いて離れるようなら出
  来上がり。焼き方が足りないと、表面の皮が破れて、指にくっ付いてくる。

   プロは、毎回これを行っているわけではなく、オーブンの焼き時間などでも分かる
  のであるが、究極的には、この方法で分かる。


  家庭の究極、限りなくプロに近いプリンは土鍋で! ガッテン流プリン

    ガッテン調査隊は、様々なありとあらゆる鍋、蒸し器、調理器具でプリンを作っ
   たがどれも今一つ。そこで炎と調理の達人、ガス会社の研究員にお願いした。

    百野さんのプリンの温度データを分析し、それに最も近い加熱の仕方が出来る調
   理器具を見つける実験を試みた。縄文型の土器でも調べ、3週間実験を繰り返した
   結果、土鍋で加熱すると最もゆっくりと温度が上がっていくことが分かった。

   ○ガッテン流 土鍋でプリン

     用意するもの
      ・家族で囲む鍋料理に使う土鍋
      ・陶器の器
      ・アルミホイル
      ・落し蓋
      ・タオル

    @土鍋の底にタオルを敷き、その上に落し蓋を乗せて足場を作り、プリン液を入
     れた陶器の器を置く。器にはアルミホイルで蓋をする。
    A器の半分がつかるように熱湯を注ぐ。
    B強火で加熱し、沸騰するまで約5分加熱。
     ボコボコと地獄の釜ゆでのようになるまでしっかり沸騰させる。
    Cそこで火を止め、蓋をする。
    D25分待ち、完成。

     これを百野さんに採点してもらうと、「なめらかですね! 100点です。」と。
     これでガッテン流プリンが完成した。

     ガッテン流プリンは、昭和のプリンと、平成のプリンが一体となったような、
    お皿にあけてプルンとしていて、食べるとなめらかなプリンである。


  ガッテン流プリンの温度変化

    土鍋で作るガッテン流のプリンの温度変化は、プリン液が固まる80℃を長い間
   維持できる。
    鍋の火を付けでボコボコと地獄の釜茹でのような状態に沸騰するのを待つ間、約
   5分。湯は100℃になる。火を止め鍋の蓋をし、湯の余熱でプリン液の温度を上
   げてゆく。プリン液が80℃になるのは、鍋を火にかけて12分後、すでに火は消
   されている状態。ここから徐々にプリン液が固まり、80℃を維持している25分
   程までの間、それ以上の温度になることがないので固くなりすぎず、徐々に固まる。

加熱時間と
湯とプリン液の温度
加熱経過時間(分)湯の温度(℃)プリン液の温度(℃)状 態
 6338鍋を火にかける
 10055ここで火を止め蓋をする
 109378湯の余熱でプリン液を加熱
 158882プリン液が固まる80℃を維持している
 208382プリン液が固まる80℃を維持している
 258281プリン液が固まる80℃を維持している
 307979 
表の値は、グラフ目視の大まかな値


    この温度変化が、ガッテン流プリンのポイント。


  ガッテン流プリンを作る手順のまとめ

    用意するもの
    ・土鍋
    ・陶器の器(プリン液を入れる)
    ・アルミホイル
    ・落し蓋
    ・タオル
    ・漉し器
    ・ボウル

    材料 <プリン液>
     卵3個
     牛乳500ml
     グラニュー糖100g
     バニラエッセンス少量


    材料 <カラメル>
     グラニュー糖200g
     水100ml


    ○カラメルを作る

    @鍋に水70mlを先に入れ、グラニュー糖を入れる。
     (こうすると砂糖が下に固まらない。)
    A鍋を火にかけ、グラニュー糖がとけ、泡が出て、色づきはじめたら、ゆっくり
     かき混ぜる。
     (はじめからかき混ぜると砂糖の量が多いため溶けずに砂糖に戻ってしまう。)
    B細かい泡が立ってきたら火を止め、鍋底を水に浸し温度上昇を止める。赤茶色
     で香ばしい香りがしている。(水に浸す時にジュッと大きな音がするので注意。)
    C再び弱火にかけ残りの水30mlを少しずつ木べらで受けながら水を少量ずつ
     入れる。
    D混ぜてカラメル完成。
    E液体のうちにプリンカップに大さじ1づつ入れる。


    ○プリン液を作る

    @ボウルで卵にグラニュー糖を軽くなじませる。
     (この時、泡立てない。スの原因になるため。)
    A温めた牛乳を@に入れる。バニラエッセンスを入れ、プリン液が出来る。
     (牛乳が熱すぎると卵が固まるので触れられる位まで冷ますと良いでしょう)
    B漉し器でプリン液を漉す。
    Cカラメルの入った陶器の器にプリン液を入れる。


    ○加熱する

    @土鍋の底にタオルを敷き、その上に落し蓋を乗せて足場を作り、プリン液を入
     れた陶器の器を置く。器にはアルミホイルで蓋をする。
    A器の半分がつかるように熱湯を注ぐ。
    B強火で加熱し、沸騰するまで約5分加熱。
     ボコボコと地獄の釜ゆでのようになるまでしっかり沸騰させる。
    Cそこで火を止め、蓋をする。
    D25分待ち、完成。

    プルプルでなめらか、スの入らないプリンが完成!


    ☆是非、作ってみてください!とても美味しいプリンが出来ます。
     筆者は、小さな土鍋でやりましたが小さいものでは保温力が小さく、固まりま
     せんでした。そこで保温調理鍋(シャトルシェフなど)で同様に作ったところ
     完成させることが出来ました。
      土鍋は、大きなものを使うことがもう一つのポイントのようです。


  プリン液のバリエーション 紅茶、クリームチーズで

   <紅茶風味のプリン液>

   材料
    牛乳500ml
    紅茶(アールグレイ・ダージリン)
    他のでも良い
20g(各10g)
    グラニュー糖100g
    湯少々
    卵3個


   @紅茶に少量の湯を注ぎ、ラップをかけ蒸らす。
   A卵をといて、グラニュー糖を入れ混ぜる。泡が入らないように。
   B沸騰した牛乳に茶葉を入れる。
   C卵液に紅茶牛乳を入れ混ぜる。
   Dプリン液を漉し、器に入れる。

   土鍋で加熱。


   <クリームチーズ風味のプリン液>

   材料
    クリームチーズ140g
    牛乳500ml
    卵2個分
    卵白1個分
    グラニュー糖90g


   @クリームチーズを泡立て器でかき混ぜ、やわらかくする。
   Aグラニュー糖を入れすり混ぜる
   B卵(全卵+卵白)を少しずつ入れ混ぜる。溶きのばすイメージで。
   C沸かした牛乳を冷まし、入れなじませる。
   Dプリン液を漉しで、プリンの容器に入れる。

   オーブンまたは、土鍋で加熱。

   ・オーブンでの加熱法
    天板の上にバットをのせキッチンペーパーを敷きそのうえに器をのせる。
    バットの中に70℃くらいのお湯を器の半分ほど入れる。
    余熱で温めたオーブンに入れ170℃30分加熱する。

   スタジオではこれがとても美味しい様子。自宅でお店のようなプリンが出来る。



  平成のなめらかプリンの作り方

    材料
    卵黄4個分
    グラニュー糖60g
    生クリーム250ml
    牛乳250ml
    バニラエッセンス少々


    @器にプリン液を入れるまでの手順はガッテン流と同じ。
    A加熱にはごく普通の鍋を使い、一度沸騰させた湯に、器が半分くらい浸る湯を
     入れる。(器はホイルで蓋をする)
    B弱火で12〜15分加熱。

    ☆白身を使わないので短時間でとろとろに仕上がる。
    ☆材料のポイントは、黄身だけを使い、牛乳を半量にした分、生クリームを使う。





   情報閲覧に関するご注意

[参考 NHK ためしてガッテン 2006/11/08]






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