豆乳の効果 大豆タンパク質、イソフラボンの働き  NOTE #31

  豆乳の大豆タンパク質やイソフラボンの働きや、コレステロール低下効果便秘改善
 ダイエット骨粗鬆症予防、更年期障害、乳がん予防などの効果について、その検証を
 NHK「ためしてガッテン」からまとめました。


  「豆乳」は、soy milkを訳した語だった。

    豆乳の生産量が最も多い国はアメリカ。
    アメリカ政府が豆乳には生活習慣病予防効果があることを認めて以来、生産量が飛
   躍的に伸びた。
    日本語の「豆乳」は、英語のsoy milk(大豆のミルク)から来ている。



  男性にも飲んで欲しい豆乳

    お風呂屋さんの出口で、お風呂上りに牛乳と豆乳のドリンクサービスの実験を行っ
   た。すると男性の約8割は、牛乳を飲み、女性の約8割は、豆乳を飲んだ。
    男性には、豆乳は関係ないと思っているのか、豆乳を飲んだことのない男性も多か
   った。豆乳にはコレステロール値を低下させる効果があることにも注目してもらいた
   い。


  豆乳でコレステロール低下実験  高い人ほど下がる

    男性が多いタクシー会社の方たちが豆乳を飲みコレステロール値の実験を行った。
    会社で豆乳を配ると、「牛乳の方がいい」、「豆乳は飲んだことがない」と余り好
   評ではなかったが、コレステロール値は気になる様子だった。

    実験ではタクシー会社の男性8人が、1日400mlの調製豆乳を2週間飲んでコ
   レステロール値の変化をみる。タクシー会社の社員の方は食事や運動がほぼ同じと考
   えて行った。通常の生活に豆乳が加わっただけで行われ、夜食のラーメンも食べてい
   る。

    実験前の8人のコレステロール値の平均は、233mg/dlで正常値よりもやや
   高めの値だった。

8人の平均コレステロール値(mg/dl)
233
(正常値150〜219)


    2週間後の結果、コレステロール値の増減にはバラつきがあった。

社員変化(実験前→後)(mg/dl)増減(mg/dl)
214→222+8
285→253−32
219→215−5
187→189+2
192→189−3
289→289±0
180→179−1
296→279−17


    上の表のように、コレステロール値が大きく減った人もいたが、増減のない人や
   増えた人もいる結果となった。
    これは、値が減った人の実験前のコレステロール値にポイントがあった。表のピ
   ンクで示した欄の人は、もともとコレステロール値が極めて高く、豆乳実験の後に
   相当値が減っている。黄色や水色の欄の人はもともとコレステロール値が高い中で
   も低めの人や、正常値の人だった。このため豆乳は、コレステロール値の高い人ほ
   どよく下がり、正常値の人はそのままで、更に下げることはないと言える。
    増減のなかった人は、豆乳のコレステロール低下効果に個人差があるものと考え
   られている。


  豆乳の大豆たんぱく質は、LDLコレステロール(悪玉)を下げる

    豆乳のコレステロール低下には、主に大豆たんぱく質が作用している。
    アメリカの730人の被験者のデータを分析した結果でも、大豆たんぱく質は、
   コレステロール値が高い人ほど低下させることが分かっており、更に、低下してい
   るのは、LDLコレステロールでいわゆる悪玉コレステロールである。


コレステロール値変動(mg/dl)
高め(201〜255)−10.1
高すぎ(259〜232)−22.2
極めて高すぎ(335以上)−71.5


    豆乳はコレステロール値を、極めて高い人ほどよく低下させることを示している。


    

  大豆たんぱく質とコレステロールと胆汁酸の腸内での動き

    コレステロールのみの場合と、コレステロールと大豆たんぱく質とが同時に入っ
   た場合とでは、腸内での吸収に変化がある。
    コレステロールは、腸の中に入ると分泌された胆汁酸とくっつき腸壁から体内へ
   吸収される。
    一方、大豆たんぱく質がコレステロールと一緒に腸内へ入ってくると、コレステ
   ロールよりも先に大豆たんぱく質が胆汁酸とくっつく。胆汁酸とくっつけなかった
   コレステロールは、そのまま排泄される。

    更に、胆汁酸とくっついた大豆たんぱく質は、吸収される時に胆汁酸と離れ、単
   独で吸収される。残った胆汁酸は、吸収されずに排泄される。
    ここでポイントとなるのは、胆汁酸の原料はコレステロールであることである。
   大豆たんぱく質はコレステロールを原料にした胆汁酸と、食事から入ったコレステ
   ロールとをダブルで排出し、コレステロールの吸収を抑えていることになる。


  しかし、動物性脂肪の摂取を控える必要がある

    大豆たんぱく質は、高コレステロール値を下げる働きがあると言っても、豆乳を
   飲むだけで正常値には戻らない。大豆たんぱく質を摂ると同時に動物性脂肪の摂取
   を控えることが大事。



  イソフラボンの効果は、人による

    イソフラボンの効果を期待して豆乳を飲むという女性が多いが、最近の研究でイ
   ソフラボンの効果に個人差があることが分かってきた。
    イソフラボンは、その形状が女性ホルモンと似ているため、女性ホルモンと同じ
   働きが期待され、骨粗鬆症予防、更年期障害予防、乳がん予防などに効果があると
   期待されている。

    しかし、イソフラボンは、体の中で効率的に働く種類のものになる人と、ほとん
   どならない人とに分かれる。


  21人の女性で実験 効果を期待できる人は6人

    21人の女性が実験に参加し、豆乳を飲んだ7時間後に尿を採取、その中のイソ
   フラボンを解析した。
    21人中、イソフラボンの効果が期待できる人は、6人だった。


  女性ホルモンの働き

    そもそも女性ホルモンはどのように働くのか。
    女性ホルモンは、卵巣で分泌される。細胞に運ばれると細胞の中の女性ホルモン
   受容体のスイッチを押し、女性ホルモン本来の働きが可能になる。
    この時、女性ホルモンの形状と受容体の形状が同じであることが重要である。


    女性ホルモンは、年齢と共に減少し、受容体を押す回数が減る。すると例えば、
   骨粗鬆症のようなことが起きたりする。
    そこで豆乳を飲むことで女性ホルモンの代わりにイソフラボンがスイッチを押し
   てくれることを期待している。


  イソフラボンの働きとエコール

    イソフラボンは腸から吸収される。すると形が少し変化する。女性ホルモンと似
   た形のエコールになった場合、女性ホルモン受容体にぴったりと合致し、スイッチ
   を押し、エコール(イソフラボン)が女性ホルモンの働きを可能にする。

    しかし、腸から吸収され形状が変化すると、受容体にぴったり合わない形になる
   場合がある。こうなるとスイッチが押し辛く女性ホルモンの働きを起こす回数がエ
   コールに比べ少なくなる。

    エコールは、受容体にくっつきにくいイソフラボンに比べて2〜10倍も受容体
   のスイッチを押す回数が多い。

    人によって、エコールも作れる人と、ほとんどエコールでないものばかりの人と
   がいる。


  エコールを作りやすい人と腸内細菌

    エコールを作りやすい腸内細菌がいる人とそうでない人がいる。エコールを作り
   やすい腸内細菌を持っているかどうかで、イソフラボンの効果が変わってくる。
    しかし、エコールを作りにくい腸内細菌の人も大豆食品を食べ続けることで、エ
   コールが作れるようになる人もいる。エコールになりやすい腸内細菌がいるかどう
   かは、食生活によって変わる。エコールができなければ、イソフラボンに期待でき
   ないということではない。イソフラボンの効果を期待できないかもとあきらめず大
   豆食品を摂るのがよい。


  乳がんの発生率とエコール

    オーストラリアのデータで乳がん発生率とエコールを作れる人とそうでない人と
   比較したものがある。エコールを作れない人を1とすると、作れる人は1/3に乳
   がんの発生率が抑えられるという結果が出ている。
    ただし、まだ1つのデータなのでこれが全ての人に当てはるということではない。



  豆乳のダイエット後押し効果

    豆乳でダイエット効果があるのか実験。

    ラットの実験では、牛乳たんぱく質を与えたラットと豆乳たんぱく質を与えたラ
   ットでは、21日後の体重は、大豆たんぱく質を与えたラットの方が減っていた。
   ラットでは、大豆たんぱく質に効果があるという結果だった。

    21人の女性で3週間、1日400ml豆乳ダイエットを実験した。
    体重のばらつきがないように3グループに分け、「豆乳を飲むだけ」グループ、
   「減量+豆乳」グループ、「減量のみ」グループで実験。
   減量するグループは、1日500Kcalずつ減らすようにした。「豆乳を飲むだ
   け」グループは、通常の食事に豆乳の分のカローが加わる。

    豆乳のカロリーは、下表の通り。比較のためにコーラのカロリーを示す。

 カロリー(Kcal)
調製豆乳64
無調整豆乳46
コーラ46


    3週間後のダイエットの結果は、下表の通り。

グループ減量中1日の増減カロリー(Kcal)3週間後の体重
豆乳を飲むだけ+230−0.41
減量+豆乳−500+230−1.51
減量のみ−500−0.91


    「豆乳を飲むだけ」グループの0.41kgの減量は、減量効果があったとはい
   えない数字と考える。豆乳だけを飲んで痩せることはできない。
    「減量+豆乳」グループが、3週間で1.51kg減量に成功したことは、「減量
   のみ」のグループに比べて減り方が少し大きい。豆乳だけで減量効果はないが、飲ま
   ずに減量するよりは、効果がある。豆乳は減量の後押し効果があると考えられえる。


    減量中の感想は、
    「減量のみ」グループの人は、お腹がすいて辛いダイエットになった。
    「豆乳を飲むだけ」グループの人は、豆乳が満腹感を強く感じ主食がいらないくら
    いに感じたが、1週間たつと慣れてしまった。
    「減量+豆乳」グループの人は、豆乳の満腹感でダイエットが続けられたと感じた。
     というものだった。豆乳自体にダイエット効果は、ないまでも、ダイエットを後
     押ししてくれると言える。

    ラットの実験では、体重が減ったが残念ながら人間は、大豆たんぱく質だけで全て
   の食事をまかなうことができないので、ラットの実験のような効果までは期待できな
   いと考える。



  豆乳で便秘改善

    14人の女性の中で毎日便通があった人は、7人だったが、豆乳を飲み続けて3週
   間後、11人が毎日便通が良くなり、残りの3人も改善したという結果になった。
    豆乳には、便秘改善効果があるといえる。


  美肌効果は、明確ではない

    豆乳を3週間飲んだ21人の女性で、肌の弾力、水分、メラニンなどについて多角
   的に調べた結果、ばらつきがありすぎ、こうだと言える結果は得られなかった。


  豆乳の効果まとめ

豆乳に期待する効果結果
コレステロール低下
骨粗鬆症予防○/△
人による
期待できる人と多少期待できる人がいる。
更年期障害予防
人による
ほてり、のぼせにはエコールの生産者の方が
効果があるという報告もあるが、
はっきりとはしていない。
乳がん予防
エコールを作れる人の方が
なりにくいという報告もあるが、
充分な根拠ではない。
ダイエット
後押し効果はある
便秘改善
美肌効果




    ☆「かんたんチン豆乳スープ」、「ビックッキー豆乳」、「ふわっとうにゅうオムレツ」など
     簡単な豆乳料理を
番組ホームページで紹介しています。





   情報閲覧に関するご注意

[参考 NHK ためしてガッテン 2005/09/28]


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