ギックリ腰の予防、再発予防  NOTE #31

   ギックリ腰とは、どんな状態なのか、どんな時になりやすいのか、予防、再発予防
  について、NHK「ためしてガッテン」をまとめました。


  どんなときにギックリ腰になったか

    「本棚に本を戻そうとして」
    「掃除中にチャイムが鳴って振り返ったときに」
    「床に落としたお金を拾った瞬間」
    「長時間運転して背伸びをした時」
    「くしゃみをした時」

    息もできないほどの本当に苦しい痛み。すごい激痛。激痛以上。
    雪かきでギックリ腰になることも多い。


  ギックリ腰とは

    まず、腰とは、骨盤および骨盤から上5つまでの脊椎骨を腰という。

    ギックリ腰は、「急な腰の痛み」の症状のことを言う。
    その原因は、
     ・椎間板ヘルニア
     ・腰椎分離症
     ・腰椎すべり症
     ・骨粗鬆症
     ・内科や泌尿器科、婦人科の病気
    などが考えられる。

    しかし、「急な腰の痛みで」来院する人の多くは、原因不明。
   そのため、その多くは腰椎捻挫と診断される。

    原因は、様々だがはっきりと診断される場合がある。
    椎間板ヘルニアである。    


  椎間板ヘルニア

    椎間板ヘルニアの状態をMRI画像で見ると、脊椎の骨と骨との間にある椎間板
   が後ろへ飛び出している。背骨の後ろには、神経が通っておりこれを圧迫している
   状態になり激痛が発生する。


  脊椎の硬直 痛み以外に感じる重い感じ、ガチガチになる感じ

    ギックリ腰は、痛みの他に重い感じや、ガチガチに固まった感じがある。この原
   因は、ギックリ腰になった直後に撮られた珍しいX線写真によって解明された。通
   常、激しい痛みで発症の直後に病院に行くことができないためX線写真が撮られる
   ことは珍しい。まず正常な脊椎は、重い体重を支えるため横から見ると大きなS字
   にカーブしている。この発症直後のX線写真には、脊椎がまっすぐに伸びた状態で
   写っていた。ギックリ腰になった直後のこの脊椎の硬直に発症のカギがある。

    ギックリ腰になった直後は、脊椎につながる様々な筋肉が何らかの理由によって
   一斉にギュッと異常に緊張してしまう。そのため脊椎がまっすぐになってしまうと
   考えられる。

    丁度プールなどで足がつった時のようなことが、腰の骨の周囲で起きていると考
   えられる。筋肉が異常にガチガチに緊張しているので激痛が走る。
    更に、筋肉が緊張すると血行が悪くなり、痛み物質がその場所に停滞して激痛が
   続いてしまう。また、腰の筋肉を支えている周囲の筋肉が、腰の筋肉を守ろうと緊
   張するため、痛みが痛みを呼んでどんどん周囲に波及し痛みが広がる。

    更に、最近の研究で分かったことには、ギックリ腰の痛みは、お腹の内臓の痛みを
   伝達する神経を経由して脳へ伝えられている。このためお腹にも何か異常があると感
   じてしまう。
    臓器に異常や損傷が生じた場合、非常に不安感や焦燥感を生じる。その為ギック
   リ腰の痛みは、非常に強い痛みで、精神的にダメージを受ける痛みに感じる。


  椎間板の負担とギックリ腰

    最新鋭の診断装置でこれまでに見ることができなかった椎間板の仕組を見る。体
   の姿勢や動きがどのように椎間板に影響するか測定する。椎間板にかかる圧力をコ
   ンピューターで解析し、圧力が強い部分を赤く表示する。

    診断装置の画像を見ると椎間板にかかる圧力は、まっすぐに立ている時には小さ
   く、緑色を表示している。
    体を前に倒すと、徐々に黄色から赤に変化する。この時、椎間板の前側と後ろ側
   に圧力がかかっているのが分かる。

    椎間板は、様々な動作の影響で、少しずつ劣化する。大きな負担が続くと内側か
   ら外側へ小さな亀裂が入る。小さな亀裂が外側へ達すると痛み物質が大量に派生。
   これが切っ掛けで、痛みの伝達が起こり、ギックリ腰の激痛になる。

    くしゃみをしたと時は、椎間板の一番前の部分が赤く表示され、大きな負担がか
   かることが分かった。

    ※この実験は、体に影響がないように医療関係者の協力の元行われた。


  椎間板のつくりとヒビ

    椎間板は、円柱を輪切りにしたような、丸い座布団のような形をしている。円の
   中央部分には、たんぱく質でできているゼリー状の物質があり、その周囲にはコラ
   ーゲンが取り巻くように層になっている。
    ゼリー状の物質は、様々な衝撃を受け止めている。長時間同じ姿勢が続いたりす
   るとコラーゲン組織にヒビが入る。くしゃみなどの切っ掛けで外までヒビが達する
   と痛み物質が放出されて、これを合図に筋肉を緊張させろと命令が出る。

    椎間板内部のヒビは誰にでもできている可能性があるので、そのヒビが外まで達
   しないように注意する生活を心がけるのが良い。


  姿勢による椎間板への圧力の違い

姿勢圧力
(寝た状態を1とする)
前屈4倍
くしゃみ2.4倍
あぐら2.2倍
立つ1.3倍


    寝た状態を1とした場合、前屈では椎間板に4倍の圧力がかかっていることが分
   かった。この姿勢に注意しなければならない。


  荷物を持ち上げる姿勢 街で調査

    街で地面に置いたダンボール箱を持ち上げる実験を行うと、50人中32人は、
   危険な持ち上げ方と判明した。危険な姿勢は、脚をまっすぐに伸ばした状態から上
   半身を腰から前屈するように曲げ、ダンボール箱を腰を支点に持ち上げるという動
   作である。
    持ち方の違いで筋肉にどれくらい影響するか測定すると。

姿勢筋肉にかかる負荷
(数値が大きいほど負荷が高い)
危険な姿勢225μV
安全な姿勢180μV
荷物を下ろす時150μV

(測定値は、グラフの目測のおおよその値。)



    街中で安全な姿勢で荷物を持ち上げている人でも、意外に下ろす時は危険な姿勢
   になっていた。脚を伸ばしたまま腰を支点に前屈するように下ろす姿勢である。
    ギックリ腰は不意を突かれて発症するので下ろす時にも同様に注意が必要。
    腰を支点に前屈する姿勢をしないように気をつけることが大事。

    椎間板のヒビはギックリ腰の原因の一つで、他にも関節のずれ、筋肉の断裂など
   の原因が考えられるが、いずれの場合も、不意の動作が引き金になっている。


  ギックリ腰の再発を防ぐ必要性

    ギックリ腰の再発を繰り返すと思わぬ病気の原因になってしまう。

    銭湯を営む御主人は、30年前にギックリ腰になって以来十数回、再発を繰り返
   してしまった。ギックリ腰になったものの銭湯の浴場の掃除は、腰に負担がかかる。
   しかし、仕事上避けられない姿勢であった。
    ある日、それまでにない激痛が走った。病院で診てもらうと聞き慣れない病名を
   告げられた。脱出ヘルニアだった。つぶれた椎間板の中身のほとんどが後ろの神経
   の方へ飛び出てしまっていた。

    現在は、回復し仕事を続けている。御主人は、再発を繰り返さないように気をつ
   ける事が大事だとの思いで、テレビで体験を伝えていた。


  タバコと椎間板の組織の変形 ラットで実験

    タバコが椎間板に悪影響を及ぼすことがラットの実験で分かった。

    実験は、ラットに1時間当たり3分間の受動喫煙を8週間行うものだった。
    その結果、通常のラットの椎間板がきれいな層状の組織になっているのと比べて、
   タバコの環境下にあったラットの椎間板は、組織が崩れてしまっていた。

    タバコを吸うと血流が悪くなり、椎間板に栄養が回らなくなるためと考えられて
   いる。


  ギックリ腰予防と再発予防の姿勢

   ○くしゃみの場合

     テーブルに手をついてくしゃみをする。

     診断装置の画像で見ると手をつかずにくしゃみをすると、腰がグラグラと動き
    椎間板に圧力がかかっていることが分かるが、手をつくとほとんど腰が動いてい
    ない。手をつくだけでも腰がかなり固定されて、手をつかない場合とは大違いで
    ある。


   ○洗顔の場合

     椅子を使って洗顔する。

     洗顔はどうしても前傾になり、椎間板に圧力の高かった前屈の姿勢になってし
    まう。これを防ぐためには、洗面台の前に椅子を置いて、座って洗顔するのが良い。
    椅子に座って洗顔すると画像でも椎間板への圧力が少ないことが分かる。


   ○靴下を履く場合

     座って靴下を履く。

     立って靴下を履くとバランスが悪く前傾の姿勢になり、椎間板に圧力がかかる。
    椅子に座って靴下を履くと、画像でも椎間板にかかる圧力が少ないことが分かる。


   ○掃除機をかける場合

     前へ足を一歩出すようにして掃除機をかける。体全体で動いてかける。

     その場で遠くまで上半身を傾け掃除機をかけようとすると前傾姿勢になるため、
    椎間板に圧力がかかる。一歩足を踏み出すようにして、背筋を伸ばしてかけるよ
    うにすると腰への負担が少ない。


   ○棚の下の掃除機がけの場合

     片膝をついて、腰を下ろしてかける。

     前屈するように低いところを掃除すると負担が大きい。腰を低い位置に下ろし
    て、片膝をつくと腰、背筋を伸ばしたままかけることができ椎間板への圧力が小
    さい。


   ○台所で洗い物

     踏み台を置いて片足を乗せて洗物をする。

     踏み台に片足を乗せて洗うと腰への負担が小さい。長い時間かかる場合は、脚
    を乗せ替えると良い。


   ○お腹の脂肪

     お腹の脂肪が多いと重さを支えるために、後ろに反った姿勢になりがち。その
    反った状態は、椎間板に負担がかかっている。できるだけお腹の脂肪が減るよう
    に生活習慣を見直すと良い。


  スポーツ整形外科医の教える姿勢

    スポーツ整形外科では、腰は、背骨、骨盤、股関節までを言い、一つのシステム
   として考える。その中のどれか一つに負担がかかると椎間板が壊れる。


   ○立つ時

    机に手を添えて立つ
     腰への負担が少ない。

    「どっこいしょ」と言いう
     立つ時に言うと、立つ動作を意識できるので不意に起こるギックリ腰を予防で
     きる。


   ○うつ伏せ寝

    うつ伏せになり、顔を右に向ける。右足を横に出し、少し曲げる。左を向く時は、
   左の足を出して曲げる。

    腰が痛い人は、うつ伏せ寝ができないが、次の方法で行うと楽にできる。
    脚を横に出すことで腰に余裕ができるため楽になる。


   ○ひねる動作

    体の右側の物を左に移す動作など、上体だけをひねる動作は腰に負担がかかる。
   この時は、その場で足踏みして体の向きを変えて行うと良い。股関節を使う。


      


   情報閲覧に関するご注意

[参考 NHK ためしてガッテン 2005/11/09]




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