血圧降下術2005  NOTE #27

   昨年10月高血圧学会で発表された新たな高血圧の基準を紹介すると共に、仮面高
  血圧や初期の動脈硬化の怖さ、高血圧の原因、対策として減塩法と測るだけダイエッ
  ト、鼻歌ウォーキングを紹介。冬は、特に脳卒中、心筋梗塞が多い季節でもあるので、
  生活習慣の改善に心を配りたいものです。ためしてガッテンをまとめます。


  新たな指針 高血圧は140/90以上 家庭では135/85以上

   2004年10月の高血圧学会で発表された高血圧の基準は、最大血圧が140、
  最小血圧が90を超えた場合、高血圧とするというもの。以前まであった境界型高血
  圧という範囲はなくなり、正常または、高血圧という分類になった。

   また、血圧は、白衣高血圧など医師の前では緊張などにより高く出てしまうことな
  ど測定時の緊張度に影響されてしまうため、リラックスした家庭での血圧が重要視さ
  れることになった。
   家庭では、最大血圧は135、最小血圧は85を超えると高血圧と考えらる。リラ
  ックス時に、この基準を超えると緊張やストレスの時に更に高くなることが予想され
  るためである。


  仮面高血圧、医師も看護士も自分も気が付かない高血圧

   血圧が正常とされている人でも、2〜3割の人は、高血圧であるという。血圧を測
  定するときは、リラックス、または、激しい動作をしていないために、一日のなかで
  低い血圧の時に測定しているためだ。仕事や作業あるいは運動、趣味などをしている
  時に血圧が上がっていることを見逃してしまい、血圧は正常だと誤認している。

   24時間血圧計を装着したAさんは、最大137/最小血圧80の正常の人だが、
  計測の結果、午前中に高血圧を示す140を超える時間が長く続いていた。
   この時間帯にAさんは、趣味の囲碁を楽しんでいた。勝つか負けるかのかけ引きが
  ストレスとなり、血圧が上昇、気づかないうちに高血圧の状態になっていたのだ。
  本人もこの結果には驚いて、仮面高血圧を初めて意識した。
   しかし、囲碁をすると誰でもが高血圧になるかと言うとそうではなく、個人差があ
  る。一日のうちに何度もマメに血圧を測り、自分に高血圧の時間がないか、チェック
  することがまず大事になる。


  血圧を上げる要因、タバコ

   血圧を上げる要因に、タバコ、ストレス、仕事が忙しいなどがある。
   タバコの場合が、特に仮面高血圧になりがちである。病院などで待っている間には
  タバコを吸わないので、その間に血圧が降下して診察室で測定する時には正常の値を
  示すからである。診察が終わり、喫煙を始めると血圧が上昇する。


  本来の血圧

   本来の血圧は、家庭で血圧をマメに測ることで知ることができる。
   病院では、日常と異なる環境で緊張したり、タバコを吸わないことや、その他ストレ
  スが除かれることが原因で、本来の血圧が正確に測定できないことが分かってきた。
   家庭でマメに血圧を測り数値を知ることで自分の血圧を知ることが出来る。仮面高
  血圧を配慮して測るようにしたい。


  脳梗塞の危険、初期の動脈硬化と高血圧

   ここ50年で脳出血(脳の血管が破れる)で死亡する人は、1/5に減少している。
  しかし、一方で脳梗塞(血管が詰まって血流が止まる)で亡くなる人は、増加してい
  る。
   血管が詰まる原因は、動脈硬化が大きな要因だが、心筋梗塞が原因で亡くなった人
  の場合、その68%は、初期の動脈硬化で発症し、進行した動脈硬化の人は、32%
  であった。意外にも、初期の動脈硬化の方が梗塞を起こしやすいと言えるのだ。

   動脈硬化は、余分なコレステロールとマクロファージの働きによって起こる。血中
  にコレステロールがあるのは、細胞の栄養として必要であるからだが、余分なコレス
  テロールがあると血管壁に運ばれてしまう。この時、マクロファージは通常素通りし
  て血管壁のコレステロールを無視する。しかし、一度コレステロールが酸化されると
  変性したコレステロールをマクロファージが処理しようと血管壁の中に侵入し、変性
  コレステロールを食べる。しかし、変性コレステロールが多すぎて、処理しきれない
  とマクロファージは死んでしまい、血管壁の中で死骸となって残ってしまう。このと
  き血管壁は盛り上がり厚くなり、血管を狭くする。これが、動脈硬化の始まりである。

   初期の動脈硬化の血管は、まだ柔らかくピンセットでつまんでもふにゃりとしなや
  かであるが、進行した(血管壁中にびっしりとマクロファージの死骸がある)動脈硬
  化の血管は、棒のようで、つまんでもしなることはない。
   この状態だと進行した動脈硬化の血管の方が危険に思えるが、意外にもにもそうば
  かりではない。初期の動脈硬化の血管では、マクロファージが入って厚くなったとこ
  ろが柔らかくブヨブヨしている。そのため、ちょっとした血圧の上昇で傷が付き、傷
  の修復のために血小板があっという間に集まって、血管を塞いでしまうのだ。
   実際に初期の動脈硬化を起こした血管には、多くの新しい動脈硬化があちこちに出
  来ている。これが血圧の上昇で傷が付きやすいので、あちこちに梗塞ができる可能性
  が散らばっていることになる。初期の動脈硬化が危険な理由でもある。


  進行した動脈硬化

   しかし、進行した動脈硬化は、意外に心筋梗塞の割合が少なかったが、こちらは、
  こちらで深刻な問題がある。
   進行した動脈硬化でありならが、生活習慣を改めないで生活を続けていると、硬化
  した上に更に、新たな動脈硬化でできる。新たな動脈硬化は、同じように傷つきやす
  いため血圧上昇で傷が付き血小板が集まることで、そもそも血管が細くなっていると
  ころに、あっという間に血栓を作り血流を止めてしまう。


  血圧を10下げると確率大幅減 血圧別脳梗塞の発生率 

   1年で1000人のうち血圧別に何人が脳梗塞を発症したかをグラフにしたものが
  番組で紹介された。端的に最大血圧180以上、最小血圧110以上のグループが群
  を抜いて突出していた。また、新たに高血圧の基準となった最大140血圧、最小血
  圧90のグループから急激に確率が伸びていることも指摘された。
   これは、血圧を10下げるだけで脳梗塞の確率がグンと減るということを示してい
  た。血圧が高いという方は、ポイントを押さえて生活習慣を改善したい。


  血圧降下のための生活習慣

   ・食塩は、1日 6g未満。(以前は7gだったが、更に厳しくなった。)
   ・適性体重の維持
   ・アルコールの制限(男性は、ビール1本。女性は、その半分に抑える。)
   ・低脂肪で野菜や果物の多い食事
   ・有酸素運動を1日30分
   ・禁煙


  塩6gを実践するために

    @かんきつ類(クエン酸)が塩分の無さをカバーする。

      塩分を減らした食事を実践したときに、かんきつ類を搾り酸味を加えること
     で塩気の無さをカバーできるので、使ってみると良い。
      ただし、減塩なしの濃い味の食事にかんきつ類を搾ると、逆に物足りなさを
     感じで逆効果になるので、この方法は、減塩をした上で行うようにする。

    A昆布、かつお節で、だしをしっかり取り、塩気が無くても味があるようにする。

    B食塩テープ

      薬局などで市販されている食塩テープで前日にとった食塩の量を推測するこ
     とが出来る。朝一番の尿で検査できる。

    塩1g減で、血圧1mmHg下げることが出来る。

    野菜などのカリウムも塩分の体外排出を促すので摂るようにする。


  濃い味好きのAさんの味覚改革

    濃い味好きのAさんは、職場でも家庭でも1日4gの塩分制限をして1週間生活
   した。1日4gは、かなり極端な減塩。

    それまでは、充分味の付いた食事にも自分で調味料をかけて食べるような生活だ
   ったAさんが、実験前にMRIでの味覚の実験に望むと、0.4%の塩水で脳の味
   覚を感じる部分が反応し、0.2%の塩水だと反応しなかった。この0.2%は、
   味覚の鋭い人なら充分反応する濃度だ。

    1週間後、元の食事を試しに食べてみると、
    「かなり塩っぱい! これを食べていたかと思うと、怖い。」と驚いた。味覚が
   かなり変わったことになる。
    MRIで見てみると、0.2%の塩水の反応も脳の味覚領域がきちんと反応する
   ことができた。

    1日4gに減塩することは、厳しいので、徐々に減塩することをお勧めする。

    味覚を鍛えることにもなるので、味覚が鋭くなり、食べ物が美味しくなったり、
   隠し味が分かるようになったりするので、いいことずくめです。


  適性体重の維持・血圧が高くなる内臓脂肪太り

    血圧が高くなる太り方がある。皮下脂肪に対して、内臓脂肪が多い太り方がその
   タイプ。内臓脂肪は、血圧を高くする物質を出すので意識して減らすようにしたい。

    5kgの体重減で、5〜10mmHg下げることが出来る。

    ダイエットでは、まず内臓脂肪が減るので血圧降下にも効果が期待できる。

    ダイエット法は、以前だめしてガッテンで紹介された 計るだけダイエット(NOTE#23)
   が効果がある。1日2回計り、グラフに書き込むだけで減量ができ、1ヶ月で100
   人中83人がダイエットに成功し、その後も過半数の人が続けてグラフを付けている
   という実績がある。
    これには、50g単位で計ることの出来る体重計がお勧めで、小さな体重の減少も
   見逃さずに、それを喜べる毎日が続くため、長続きできる。美味しい食事を食べたと
   きに出る脳の快楽物質βエンドルフィンの働きを利用する安全で合理的なダイエット。


  有酸素運動には、鼻歌ウォーキング 血管を刺激し柔らかく

    運動嫌いな人にもできる、鼻歌ウォーキング。
    これを週3回、30分。
    のんびり、歌うことの出来る速さのウォーキングで充分な有酸素運動ができるので
   お勧め。

    この程度の運動でも、歩いたときの血流の変化が刺激になって、血管自体から血管
   を柔らかくする物質が出る。

    運動は、ちょっと苦手と言う、Bさんご夫妻は、鼻歌ウォーキングを5週間続けた
   結果、血管年齢が若返り、血圧も下がった。

   鼻歌ウォーキング前鼻歌ウォーキング後
血管年齢  
  ご主人(実年齢51歳) 60歳 → 50歳代
  奥様 (実年齢52歳) 65歳 → 50歳代
血 圧  
  ご主人 131 → 118
  奥様 143 → 136


   情報閲覧に関するご注意

[参考 NHK ためしてガッテン 2005/01/05]


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