セルワールド解体新書

〜SONY SLV−R5〜

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HF-9(HiFi音声)基板の調整

HF-9基板
写真がHF-9基板です。可変抵抗は部品面についていますが、基板を装着した状態 では調整ができませんので、基板の穴にドライバを入れ、半田面から調整することに なります。
矢印の部分が調整する可変抵抗です。左右3つづつ、6個あります。
調整状態
写真の状態で調整できます。フロントパネルを外し、MA-62基板を裏返します。パネルがないので、 再生ボタンはつかえませんが、リモコンがあれば操作できます。
左下が周波数カウンタです。業務用の箱型の方が精度が良いようですが、このカウンタに プローブを付けて使用しました。
調整1 VCOの調整
まずはFMの基本周波数を設定します。ビデオへの音声入力をせず、0ボルト時のFM周波数を 測定します。HiFi音声はFM変調されテープに記録されていますので、音声がない状態でも サイン波が出力されます。ちなみに、録画状態にしなくても、音声のFM変調処理は行われて いました。
変調後の出力は、右がIC002の30ピン、左がIC002の3ピンです。ここに先の周波数カウンタを セットし、周波数を測定します。右が1.7MHz±1KHz、左が1.3MHz±1KHzに調整します。
可変抵抗はかなり微妙で、厳密に調整するのは難しいかもしれません。しかし、FM変調のためか、 多少のずれは実用上は問題ないようです。
ちなみに、使用した周波数カウンタでは、波形を入力した状態でも問題なく基本周波数を表示して くれました。
調整2 デビエーションの調整
次に、FM変調の際の周波数帯域を調整します。
FM変調では、入力電圧の変化が周波数の変化に対応しますので、入力電圧に対する周波数の 変化の度合いが問題になります。これを調整するのが、写真矢印のDEVIATIONと書かれた2つの 可変抵抗です。この抵抗を調整することで、録音する際のレベルを調節することになります。
調整2 デビエーションの調整2
パネル上の、録音レベルツマミをセンター位置に戻し、入力から音声入力を行います。 通常の音楽などは電圧が複雑に変化し、調整は困難なので、オシレータで適当なサイン波を作って 入力します。1KHz、1Vp-pのサイン波でテストを行いました。 写真は入力サイン波をオシロスコープで見たところです。オシロは中古でオークションで入手した ものです。校正もしていませんが、取りあえずは何とかなります。 本当はデジタルが欲しいのですが、高すぎて手がでません。
調整2 デビエーションの調整2
写真は、入力波形に対するFM変調された出力波形です。IC002の出力で測定しました。
入力の変化に応じて、周波数が変化しているのが分かります。この変化の幅を調整するのですが、 このオシロでは正確に周波数を読み取ることができません。本来はモジュレーションアナライザという 専用の装置をつかうようですが、手持ちもないので、簡易的な調整ですませることにしました。
要は録音レベルの調整のため、本機で録音したテープを正常な他機で再生し、同じレベルが出力 されるように調整します。
まず、本機に1KHz 1Vp-pのサイン波を入力して録音します。そのテープを他機で再生し、 オーディオ出力からの出力をオシロで観測し、同一信号レベルになるようにすればいいわけです。
他機で再生し、出力レベルが大きすぎる場合には、変調後の周波数変化が小さく(変化のぶれ幅が せまく)なるように、何度も録音、再生を繰り返して調整します。
手間はかかりますが、実用上は問題ないようです。「正常な他機」をどうするかという問題は 残りますが。
調整3 出力レベルの調整
最後の調整が、再生時の出力レベルの調整です。写真の可変抵抗です。この抵抗を変化させると、 出力波形の電圧が変化します。今回の例では、1KHz 1Vp-pで録音したので、同じ波形が出てくるように 調整します。
これですべての調整は終了です。再生出力は先に調整したデビエーション調整の影響を受けるので、 先にそれを済ませておく必要があります。
HF-9基板のデュオレックスをすべて交換した際には、右の基本周波数が1.7MHzからやや高くなり、 左の録音レベルがやや下がりました。実用的には問題ない程度ですが、コンデンサ交換でも調整は した方が良いと思われます。