セルワールド解体新書
〜SONY SLV−R5〜
戻る

SLV-R5は、ソニーがSLV-R7の次に設計したSVHSビデオデッキです。
メカはどちらもマッハドライブメカで、その後に続くSLV-RS7/SLV-RS1とも
共通です。また、業務用機のSVO-260とは、基板や回路まで同じです。
3倍はヘッドの関係で後発機種より画質が落ちるのですが、標準では
その技術が古いことを感じさせません。
ジョグシャトルの操作性や、高級オーディオを意識した外見は、3倍の性能を
考えても、十分利用価値があると思います。
SLV-R7に比べると、TBC回路や重たいシールドが簡素化され、だいぶ軽く出来
ています。その分、内部の配線コードも最小限で、メンテナンス性が
大変良いデッキになっています。
電子回路には、まだトランジスタによる増幅回路や、コンデンサ・コイルによる
フィルタも使われており、電子回路やビデオ技術の習得用としても絶好の素材だと
思います。
〜性能〜
未評価
〜資料〜
コネクタやICのピン番号をメインに抽出したものです。個人で作成した資料のため、誤記等ありますのでご了承ください。
Y信号 録画系(PDF):
Y信号の入力からヘッドまでの概略図です。Y/C分離回路、変調IC、入力切替スイッチ、が含まれます。
Y信号 再生系(PDF):
ヘッドからY/V信号出力の概略図です。復調、HQ処理、Y/C合成回路が含まれます。
〜解体〜
サイドウッドと天板の取り外し:
サイドウッドネジ各2箇所を外し、天板を少し後ろにスライドするように持ち上げます。
前面パネルの取り外し:
上下左右にプラスチックのツメがありますので、少しずつずらしながら外して行きます。
カセコンの取り外し:
カセコンは、4つのネジと、モーター用コネクタを外せば、簡単にはずれます。
右上部プリント基盤(MA-62基盤)の取り外し:
左側にはちょうつがいがあり、コードを接続したままメンテナンスできるようになっています。
音声基盤(HF-9基盤)の取り外し:
MA-62の子基盤である、音声基盤を取り外します。あずき色のコンデンサが付いているため
すぐにわかります。
チューナー基盤(TU-120基盤)の取り外し:
MA-62の子基盤です。アンテナからのケーブルが接続されています。
カセコンの分解:
カセコンには、モーターがあり、カセットの出し入れを行います。ギアの割れや固着で、
ローディング不良になる場合があります。
電源の取り外し:
電源は簡単に取り外せます。大型のコンデンサがあり、電源OFF後すぐは、
ショートして火花が出ることがあるので、注意が必要です。
〜修理 メカ編〜
RVSアームの調整:
テープの走行経路の最後に位置し、テープをキャプスタンまで運ぶ役目をします。
テープの上下を決定するガイドもついており、テープをダメにしたり、テープを
はさみ込む原因となるので、常にメンテナンスする必要があります。
RVSカムギアの調整:
RVSアームの固着はマッハドライブメカでよくある故障ですが、
この時、RVSカムギアが割れたり、位置がずれ、再生不能にもなります。
この修理・調節はSLV-RS7で紹介していますので、
こちらを参照してください。
ローディングギアの修理:
これもSLV-R5/R7/RS1/RS7のウイークポイントのようで、故障率は高いようです。
テープをヘッドへ引き出すためのローラーを、ギアとアームで動作させていますが、
このギアにが割れます。
最初は、取り出したテープの左にシワができる症状が出て、完全に割れると
取りだし時にテープをダメにしてしまいます。症状がなくてもヒビが入っている
場合があるので、早めの交換が良いでしょう。
DCモーターの修理:
マッハドライブメカでは良くある故障ですが、DCモータが物理的に壊れ、
ロータと磁石がこすれるようになります。こすれる音が、テープ速度に比例
するので、すぐわかります。そのまま放置すると、DCモータが回転しなくなり、
最悪の場合はテープが巻き取られずにイジェクトされ、テープ破損を招いてしまいます。
こすれる音が出始めたら早めにDCモータを新品に交換すべきです。しかし、モーターは
3千円ほどします。ここでは、少し荒っぽいですが、お金のかからない修理方法をご紹介します。
ただし、保存撮りなどを行う場合は新品に交換することをお勧めします。
〜修理 音声編〜
ハイファイ音声不良の修理:
ハイファイ音声の右側だけ出なくなりました。録音は正常に出来ましたので、
音声再生の回路に問題があるようです。
ハイファイ音声基板(HF-9)のオーディオ用コンデンサを交換します。
このコンデンサは、寿命が短いようです。SLV-R5,SLV-R7では故障した機体を
たくさん見かけます。
HiFi音声ノイズの調整:
他機で録画したテープを本機で再生すると、音声にバリバリというノイズがでる
ことがあります。手持ちの機種の中では、SLV-RS7で録画するとSLV-R5でノイズが
でました。逆はOKでした。機種が異なると、調整が微妙に異なるために置きます。これも調整が必要
です。(同じ機種同士でも可能性はあります。)
HF-9(HiFi音声)基板の調整:
HF-9基板の電解コンデンサは、他と比べて寿命が短いようです。早めに交換した
方が良いかもしれません。HF-9基板はHiFi音声のFM変調復調処理を行っており、
この周波数やバンド幅を可変抵抗で調整する必要があります。
当方も本格的な機材はありませんが、オシロと周波数カウンタでなんとか調整は
できそうです。
〜修理 画像編〜
画像赤ずれの修理:
この機種は、古くなると部分的に赤色が右側にはみ出てしまう問題がよく起きます。
当方が中古で買ったSLV-R5は、かなりの確率でこの赤ずれが出ます。
EDITモードにすると、このずれは解消されますが、ひどくなければ簡単に直ります。
YC-93基板の可変抵抗を調整します。
電源ノイズの修理:
デジタルノイズリダクションなどはついていないため、最新機種よりノイズには
弱いと思われますが、新品の時よりさらに画面にノイズが多くなった場合、
ヘッド磨耗以外では、スイッチング電源の不良が考えられます。
SLV-R5の電源には、高温になるためか、寿命が短いコンデンサがあります。
これを交換すれば、ノイズ源を減らすことができ、かなりお勧めの修理です。
また、電源不可の故障では、かなりの確率でこの電解の寿命が原因のようです。
早め交換がお勧めです。
画像S/N比の改善:
消耗品である電解コンデンサなどが劣化すると、ノイズが増え、黒い部分がざらざらと
してきます。
ここでは、そんな劣化しやすいコンデンサを1つ紹介します。もしノイズが増えた場合、
調べて見る価値はあると思います。なお、このコンデンサが完全に故障すると、
再生画面が出なくなることがありました。
〜修理 操作編〜
停電保証コンデンサの交換:
停電時の時計やタイマ設定を保存するために容量の大きいコンデンサがついています。
古いものではほとんど不良になっていて、コンセントを抜くと時計がリセットされて
しまいます。部品の交換だけで直ります。
〜その他〜